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■■■ ゲームレビュー ■■■
○海外発、正義の改造人間見参!
ライオットアクトは、アメリカでは「CrackDown」というタイトルで既に発売が行われているゲームの日本語版となります。
ストーリー設定は、ギャングのような悪の組織に牛耳られた街を救う為、マッドサイエンティストの技術を利用して改造された正義の味方「エージェント」となり、悪の組織と戦うゲームとなります。イメージ的には、仮面ライダー的と言うか、ロボコップ的というか、スパイダーマン的な発想とでもいうのでしょうかね。いかにもアメリカ人好みっぽい設定だなぁと感じますね。
ゲームスタイルはMAP上を自由に動き回って、敵を殺しまくるタイプになります。いわゆる「箱庭ゲーム」的なスタイルですね。ライオットアクトがZ指定である根拠はこの「敵を殺しまくる」部分の強い暴力性から来ているものでしょう。ただし、死体破損などの表現はとられておらず、残虐性という点においては、それなりに控えめな表現となっています。その為、スプラッター系が苦手な人でも、強い不快感を受けることは少ないだろうと捉えています。
ゲームの画面構成は、いわゆる自分の後姿が見れるタイプとなります。後姿が見れるというとTPS系がイメージされますが、ライオットアクトは完全なTPS系という訳ではなく、自分自身を画面手前側に向かせ、そのまま画面手前に向かって走りつづけることができるタイプとなります。その為TPS系というよりもは、よくあるキャラクタを第三者視点から見た状態で遊ぶアクションゲームといった感じのゲームといったほうが正しいかもしれませんね。その為か一部の武器で選ぶことができる射撃モードを除けば、FPS視点への切り替えは出来ないようです。この手のアクションタイプの操作系は日本人にもなじみが深く、容易に受け入れやすい視点でもありますし、ビルに飛び乗ったりなどの強いアクション性をもつゲームの特徴を考えると、この操作系の採用はいたって自然であると言えるでしょう。
また、物理演算エンジンとしてHAVOKを採用。これにより爆発の際の破片の飛び散り具合やモノの落下などの挙動がリアルに表現されています。この「物の動きに関するリアリティの高さ」も、ライオットアクトの熱中度を引き立てる大きな隠し味になっていると思われます。

左側はロード中の画面。この画面自体はゲーム開始時に流れるぐらいで、ゲーム開始後はロード自体が発生しない設計となっている。その為、集中力が切れることなくゲームに没頭できる。右側はゲーム内での遠景。これだけ高いところにもあがれる自由度が魅力の一つ。もちろん、飛び降りるのも自由自在だが、落下ダメージに耐え切れないと、あえなく死んでしまうので要注意。
○海外制作のローカライズ作品。もちろん、ローカライズはしっかりされています
開発はReal Time Worldsが担当。どうもスコットランドにある企業のようですが、HP管理人の記憶の限りあまり聞いたことのない会社で、詳細は良く知りません。ただし、ライオットアクトの開発は、かの有名なGrand
Theft Auto(GTA)のデイビット・ジョーンズ氏が携わっています。そのせいか「いわゆる箱庭ゲーム的スタイル」という点において、GTAとは比較的近いスタンスを持つかとおもいますが、如何せんHP管理人がGTAシリーズで遊んだことがないので残念ながら比較はできないです。
GTAなどの他の箱物系との比較はさておき、ライオットアクト自体は「正義のヒーロー役を楽しむ」ゲームですので、敵とは無関係の一般市民や仲間であるNPC達を殺戮すると、ペナルティが発生するようになっています。つまり、敵以外への攻撃行動等はゲームの趣旨とは、製作者側の意図したものとは違った楽しみ方になるのではないかと感じています。まぁ、それをあえて選ぶのも、また自由ではあると思いますね。本来「自由」とは、「無責任にやりたい放題やれる事」ではなく「すべての行動において、その結果についてすべて自己責任が発生する」という結構厳しい生き方を指す側面もありますからねぇ。
さて、前述の通りライオットアクトは海外開発作品であり、すでに英語版で発売されているタイトルとなる為、日本語へのローカライズの具合が気になるところです。まず、メニューテキストなどテキストに関してはしっかりと日本語化されており、違和感の無いプレイが可能です。音声に関しては、ナレーション形式の音声指示はしっかりと日本語化されていますが、街で遭遇する雑魚的などの音声に関しては、日本語化は見送られているのはちょっと残念なところですね。悪党ならではの罵詈雑言や一般市民の悲鳴や罵倒などが日本語で聞けたら、より臨場感が高まったのではないかと感じています。しかしながら、いわゆる効果音的な音声自体はゲームの進行に支障をきたすような部類のものではないので、大きなマイナス要素ではないでしょう。
ライオットアクトでは、ナレーションが大きな比重を占めているのですが、気になる声の担当は小林清志氏。代表作はやはりルパン三世の次元大介役ではないでしょうか。ちなみに、クラックダウンのパッケージイラストはルパン三世の原作者であるモンキー・パンチ氏が担当しています。もっとも、モンキー・パンチ氏が絡んでいるのはあくまでもパッケージイラストであり、ゲーム自体のグラフィックは海外版そのものです。その為、ゲーム内グラフィックとパッケージの絵柄は明らかに違うものの、モンキー・パンチ氏自体の作風がアメコミに影響を受けているともいわれており、その独特のタッチを含め、比較的違和感のない人選だなと個人的には感じています。
話が少しそれましたが、総じてみると必要十分以上の日本語化は行われていると判断しても問題ないでしょう。
○次世代をあまり感じさせないアメコミ調のグラフィックが、かえって良い味を出している。
ライオットアクトのグラフィックを端的に一言で言ってしまうと「次世代機を強く感じさせるような豪華絢爛さはない」と言っていいでしょう。もちろん、グラフィック自体が劣っているというのではないのですが、静止画を見る感じでは、グラフィックはたいしたこと無いな、という印象を受けられる方も多いかと思います。
ただし、ライオットアクトのグラフィックの長所は「動き」にあります。まるでアメコミから抜け出てきたような、太目の輪郭を持つアニメのようなグラフィックが実際にゲーム内で動くのをみていると「これはこれでアリな方向性だな」と思えてしまいます。
ちなみに、高いところに上ると感じるのですが、本来多大なマシンパワーを要求する遠景の描画がかなりしっかりと行われているあたりや、細かいオブジェクトなどもしっかりと手抜きを感じさせない感じに仕上がっているあたり、やはりライオットアクトは次世代機のゲームなのだなという印象を受けますね。また、アメコミ調というと、日本のアニメーションとは明らかに異質な文化を感じさせてしまう為、多くの日本人が拒否反応を示してしまう傾向が一般的だとおもうのですが、ライオットアクトのグラフィックに関して言えば、ギトギトのアメコミという印象が比較的薄めで、日本人にも受け入れやすい感じのタッチになっているのが好印象ですね。また、前述のとおりグラフィック自体は次世代を強く感じさせない感じなのですが、不思議と妙なリアリティを感じてしまいます。なんていうんですかねぇ。遊べば遊ぶほど、そのアニメ調のグラフィックに違和感を感じなくなり、どんどんその世界に没入してしまっていくような不思議な感覚があります。本来、ゲームの設定自体がリアル路線ではなく「正義のヒーローごっこ」的なアニメ的な要素を含む設定ですので、こういった非リアル系のグラフィックが返って受け入れやすい雰囲気を醸し出しているかと思います。
実は、強度の高所恐怖症でもあるHP管理人の場合、ゲーム内で高いところなどにあがってみたりすると、コントローラがすべるほどの手汗をかいてしまうぐらいの緊張感を感じさせらるゲームが結構あるのですが、そのような感覚はグラフィックの良し悪しに関係せず、画面への没入度が大きな要素を示していると感じています。そして、ライオットアクトでは、この「高所恐怖症の圧迫感」を強く感じます。それだけ画面への没入度が高いということでしょうね。
ライオットアクトで遊んでいると、ゲームのグラフィックというのは、ただ単にリアリティが高ければいいのではないのだな、と改めて考えさせられる、そんな出来の良さをライオットアクトは持っているといえますね。

左側は地面からの町並み。リアルタッチなグラフィックではないが、作りこみがしっかりしている為、まるで実在の街の中に居るような印象を与えてくれる。右側はキャラクタ選択画面。キャラクタはゲーム開始時に毎回選べる。パラメータや進行具合はどのキャラクタを選んでも継続される為、単純に好みで選んで問題ないし、気分やミッション内容によってプレイごとに操作するキャラを変えてみるのも一興。
○改造人間といったら、やっぱり強くないと。そして、主人公はとっても強いです。
主人公の設定自体が改造人間という、仮面ライダーかロボコップかという設定となっている関係もあり、主人公は素の状態でもかなりの強さを発揮します。ぶっちゃけ、ゲーム序盤でその辺にいるザコ敵などと遭遇しても、そうそう簡単にやられたりしない強さを誇ります。その為、よほど無理や無茶をしない限り、ボス周辺以外での雑魚戦闘で負けるようなことは無いと思います。万一、かなりのダメージを受けたとしても、敵から攻撃を受けない場所でボーっと立っているだけで、見る見る体力を回復してくれる手軽さもいいですね。この回復の仕様により間違いなくゲームの敷居は低くなっているとおもいます。
そして、主人公の有り余る強さを生かして、無造作に敵を殺しつづけることにより、主人公は徐々にですが確実に強さを増してくるようになっています。端的に言えばRPG的な成長要素があるということですね。主人公の成長に関しては、特段意識することは無く、街の平和を守る為の活動を進めるのに行った挙動や、ドライブレースなどのゲーム内に散りばめられているミニゲームで遊ぶことによって、自然に経験値が蓄積されてゆき、何時しかレベルアップして強さを増していく、といった感じの成長具合となっています。少なくとも、そこにはレベルあげを意識させるような要素はあまり感じません。
そして、万一死んでしまったとしても、死ぬ直前まで獲得した経験値を一切失うことなく「再生」という形で、それそれの拠点からリスタートとなります。これも、ゲーム自体の敷居を下げている要因だと思います。これがもし、その場での無制限復活だったりすると、もはや緊張感も何もないザルゲームになってしまうので、「死んだら拠点に戻されるのが面倒くさいぐらい」という、軽めのペナルティであることに好感を持ちますね。死んでしまったときに、再度その状況まで持っていくの多大な手間がかかるのは正直かったるいだけですしね。
結果的に、ライオットアクトでは多少雑に遊んでも、遊んだ時間の分だけ確実に強くなることが出来ます。このシステムのように「死亡リスクが無い・かなり少ない」ゲームの場合、達成感という点において賛否両論があるかとおもいますが、プレイ時間の短いライトゲーマーや「洋ゲーは難しくて」と感じてしまう人にとっては、とてもありがたいシステムだと思っています。もちろん、難易度設定の調整によりもっとゲームの敷居をあげることも可能となっていますので、「簡単すぎてつまらない」といったことも起きにくく、幅広いユーザに受け入れられやすいかと思います。
○多彩な攻撃方法で敵を叩き潰す爽快感を味わえる。そして無駄の無い成長システムが好印象。
主人公が繰り出す攻撃は、実に多種多様にわたってきます。多数の武器を使い分けることができる銃撃を基本とし、素手での格闘攻撃や、そのあたりに転がっている物(ごみ箱などの街中にある非常に多数のオブジェクト)を使っての物理攻撃、引火物を利用しての爆発巻き込み攻撃、自動車を使っての轢き殺し攻撃?など、非常に豊富な攻撃方法で敵を倒すことができます。
ライオットアクトの成長の仕様に関しては、レベル制ではなくスキル制が採用されています。その為、武器を使えば武器系のスキルが上昇し、格闘で戦えば格闘系のスキルが上昇します。また、すべてのスキルをMAXまで成長させることができるので、最終的にはスーパーマンのような完全無欠(までは強くならない)系を目座すのが無理のない攻略につながるかと思いますね。
また、ゲーム内ではクルマを使ってのミニレースや、徒歩でビルからビルへ飛び移る形式のレース、クルマをつかったアクロバットアクションなどのミニイベントが散りばめられています。このレースの結果がよい場合、ここでも経験値を得ることができます。
それとは別に、アギリティポイントや、シークレットポイントという、如何にも実績用かな?と思わせるような要素もあるのですが、実はこれすらも成長アイテムを兼ねており、きちんとキャラクタの成長に役に立ちますので、ゲーム自体の仕様が「行動=成長」というイメージがあるのだとおもいます。実績用に不毛な努力を強いるのではなく、実益も兼ねるという発想は、大変いい傾向だとおもいますね。
また、ライオットアクトは、ゲーム中のロードがほとんど発生しない点も大きな長所として上げられますね。ステージ選択時には比較的長めなロード時間が発生しますが、それ以降ステージ内ではロードによる中断が発生しません(演出の一環としてロードが発生するシーンはあります)。データ量を考えるとバッググラウンドロードを行っているのだとおもいますが、そういった技術論はさておき「ロードによってテンションが下がる」といったことがないのも、ライオットアクトの楽しさを増している重要な要素だと捉えています。

右と左は、実は同じキャラを選択している。左がゲーム序盤の状態で、右はゲーム中盤の状態。パラメータがアップすると見た目にも反映される面白い仕様だ。このケースでは若造から円熟の中年への成長という意図かも。ちなみにキャラクタ毎に成長後の方向性が変わってくるので、序盤は気にいらなかったキャラクタも後半になってツボにハマルというケースもあるかと。なお、この要素は主人公だけではなく、3種類ある主人公専用車にも該当し、自分のスキルによって、なぜかクルマも高性能化し、見た目の迫力もアップしたりする。
○MAPは広いが、移動能力も高いので、相対的にそんなに広くは感じないかも。
ライオットアクトの特徴の一つとして「自由度」があげられるでしょう。自由度といってもいろいろな意味がありますが、その一つとして「MAPを自由に行き来できる」というものがあります。ライオットアクトのステージは実際の街よろしく、低層の建物から高層ビル、公園から豪邸までといろいろな施設を伴った立体的な町並みが構成されていますが、実際に遊んでみると「回りきれないほどの広さ」という印象はうけません。これは主人公の移動能力の高さが裏目に出てしまっている部分だろうとおもいますね。なんといっても改造人間ですので、まず走る速度が常人並ではありません。実際に自分のキャラクタを動かしてみると、ビデオは早送り再生を見ているようなキビキビとしたモーションにて、かなりのスピードで走ることが可能です。そしてジャンプ能力も高く、ビルからビルもひとっ飛びという感じですし、移動手段として最初からクルマが利用できる為、ある程度遠くへ移動する際にも、クルマでサット移動することが可能となっています。その為、結果的に「MAPが広くても、それ以上に移動能力が高いので、相対的に狭く感じる」という印象になってしまうかと思われます。個人的には「MAPの広さが売り」なのではなくて「街を隅々まで自由に移動できる自由度」のほうが売りとしては正しいのかな?という印象を受けています。なお、画面左下には周辺MAPが表示されますが、これがまた帯に短し襷に長し状態で、微妙に使い勝手が悪い感じを受けますね。もう少し広範囲に対応するか、クルマ移動時には道路マップが別に出るなどの工夫が欲しかったところです。
なお、クルマ自体は移動手段としてのみ存在するのではなく、前述したミニレースやトリックプレイなどを楽しむための一つの手段という要素も含んでいます。ライオットアクトでのクルマ関係のこだわりはかなりのもので、小型車からトラック、あげくの果ては装甲車やミサイル運搬車など、かなりの車種が存在します。しかもその全てのクルマに自由に乗ることができるのは気分爽快ですね。自分の好みにあわせ、また気分転換でいろいろな車種をためしてみるのも一興でしょう。また、クルマのなかでは音楽を楽しむことができます。かなりの楽曲が用意されているようであり、クルマにのっている最中はコントローラのRB、LBで曲を変えられる、いわゆるジュークボックス的要素を含んでいるのもなかなか素敵な仕様ですね。お気に入りの音楽を選んで、ドライブを楽しむなんてのもライオットアクトの自由度の高さの一要素だと感じることが出来ます。

左側が街中を走り抜けるミニレースのスタート地点。レース自体を楽しむ事はもちろん、所定のタイムを切ることにより経験値も取得できる。また、レースコースの途中には、アギリティ/シークレットポイントなどが点在している場合があるので、それを集めながらのんびりとレースにチャレンジするのも一興。右側はシークレットポイント。ちなみに、アギリティポイントは緑色の表示となる。
○ボリュームは少なめだが、XboxLiveやシステムリンクを活用して二人協力プレイが楽しめる。
ライオットアクトのキャンペーン(シナリオモード)自体は、そんなにボリュームはありません。
ボリュームが少なく感じる最大の要因は「用意されたサブシナリオが存在しない」ことにあるかと思います。
本来、キャンペーンの目的自体が「ボスをすべて殺すだけ」という、いたってシンプルなものであり、他の目標は特にない為「与えられたシナリオでしか遊ばない」人には、かなり貧相なゲームに見えるかと思います。ちなみに、個人的な感覚でいけば「ライオットアクトは自分で遊び方を見つける」ゲームだと捉えています。「正義のヒーローとしての仕事」そっちのけでドライブしてみたり、ひたすら高い場所へ登ることにチャレンジしてみたり、ビルの上から道路などに大きな障害物を落として、罪のないNPC達の慌てっぷりを楽しんでみたり、ドラム缶をその辺に設置して遠方からの射撃で爆破させて簡易打ち上げ花火を楽しんでみたりと、自分自身で遊び方を見つけて楽しめる向け人のバランスとなっていると言えるでしょう。そういった意味では、発想の柔軟な子供にも適したゲームだと思うのですが、残念ながらCERO指定がZのため18歳未満の人は遊べないですからね。なかなか、ままならないものです。
また、ゲームモードとしては、キャンペーンモードの他にタイムアタックがあります。これは、今まで自分が遭遇したことのある中ボス以上の敵と、タイムアタック制で戦うことができるというモードです。あくまでも「見つけた中ボス以上の敵限定」ですので、ゲーム開始直後は事実上選ぶことが出来ないモードとなりますが、対象となる敵によっては、単に道路をクルマで走っているだけで対象になるものもいるので、実際には直ぐにチャレンジできるようになるかとおもいます。
ちなみに、残念ながらオフラインでの二人プレイには対応していませんが、Liveやシステムリンク(2台のXBOX360をLANケーブルで接続し、インターネットを使わずにネットワークプレイが楽しめる機能)を利用することにより、二人での協力プレイが楽しめるようになります。この協力プレイにより、改造人間たる主人公の強さは2倍にも3倍にも感じられることでしょう。

左側はゲームモード選択の画面。選べるゲームモードはキャンペーンとタイムトライアルの二つだけと少し少なめ。ただし、それそれでLiveやシステムリンクを使った二人プレイが楽しめる。右側はタイムトライアルを選択した場合の画面。まだ対象となる中ボス以上の敵を見つけていない状態のため、事実上遊ぶことが出来ない状態。ただ、普通にプレイすれば直ぐに幾つかの敵が選べるようになる。
○良いことばかりじゃレビューにならない
1.ビルの屋上に行く方法と言えば、普通階段なりエレベータを使うでしょ?という常識が使えないもどかしさ。
ライオットアクトでは、中継ポイントの多くがビルの屋上を含める比較的高い場所に設置してあります。では、普通の人間が常識の範疇としてビルの屋上に上がる場合、どのような手段をとるでしょうか。普通は、階段、エスカレーター、エレベータなどを使うのが一般的でしょう。しかしながら、ライオットアクトは基本的に建物の中に入ることは出来ません。そして概ねの建物には外階段がありません。つまり「このビルの屋上に上がる」という誰でもできる行為が、なぜか街を救うヒーローには非常に難しい作業になってしまうという意味のないジレンマに陥ってしまっています。ビルの屋上を飛び回るシステム自体は大変魅力的なものだと思いますが、その前段階のビルに登るという行為自体がハードルになってしまっているのは、いささか本末転倒な気がしています。もちろん、前述の通り、主人公はスキル制で強化をすることができますので、ジャンプ能力があがることにより、徐々に行動範囲が広がっていく為、このようなジレンマを感じることが、ドンドン少なくなっていきますが、序盤は行ける場所がかなり限られてしまい「あそこに目的の場所があるのに、行けない」という状況に陥りがちで、結果としてかなりのストレスがたまるのが実情だと言えます。いくら序盤だけとはいえ、これはちょっとどうかな、と強く感じましたね。
2.個々の操作が微妙に馴染みにくく、ストレスが溜まってしまう場合も。
ライオットアクトで遊んでいると、操作系において、なにか微妙にしっくりこない感じを多く感じました。例えばクルマを運転するにしても、視点は後方視点しか選べない為、普段ドライバー視点でしかレースゲームをしないHP管理人にとっては、非常に操作しにくい状況でありました。また、その視点の位置自体も微妙で、自分の直前が見えないため、よく信号待ちをしている前の車に追突したり、一般市民に気が付かずに轢いてしまったりと微妙なストレスが掛かりましたね。市民の殺傷には一定のリスクを負わなければならないゲームの仕様なのですから、不毛かつ意図しない殺害行為を増長させるような仕様は避けて欲しかったところです。一応、視点変更はできるのですが、右アナログスティックでの一時的な見回しレベルのものですので、抜本的な解決策は「慣れ」以外にはないかと捉えています。
また、屋上などの高いところから射撃などをしていると、自分の手前にある高さの低い障害物が邪魔になり、射撃ではなく銃で壁を殴るモーションが自動的に出てしまいます。これはTPS系視点の弊害であるともいえるでしょう。そもそも、敵がターゲットできるのに、射撃ができない、というのはどういう発想かと。もちろん、対処方法はあり、その場でジャンプしながら撃つなど、ある程度工夫をすれば解消する問題なのではありますが、これもまた、妙な違和感を感じます。
また、ターゲットシステムにも微妙な違和感があります、遠方からの射撃の場合、左トリガーで敵のロックができます。このロックシステムの有効範囲はかなり広く、これ自体は難易度を下げているうれしい要因のひとつなのですが、時としてこの有効範囲の広さが悪影響を及ぼすケースが多くあります。敵をロックする場合、ざっくりと画面の中心寄りぐらいに敵をもってきて左トリガを引けば、あとは自動的に敵を認識してロックしてくれるのですが、ロックの有効範囲が広すぎて、敵が密集している場合、任意の敵を選べない場合が得てしてあります。そしてこれが厄介なのですが「すでに倒した死体までもターゲットの対象になる」のですね。有効範囲が広いが故に任意の敵が選べないのはある程度仕方がないにしても、死体までロック対象になるのはどうかと感じますね。死体自体はいつまでも残るものではないので致命的な仕様ではないものの、やはりストレスの要因となっています。
そして、個人的に一番致命的に感じるのは、正面を向くキー割付けが無いことでしょう。例えば、シビアな場所でジャンプをする際や、格闘戦闘をする場合や、高所によく設置してある細い道を通過するときに、任意で正面を向くことができない点に関しては、かなりの不自由さを感じました。キー割り当てにはまだ余裕があるのですから、これに関してはぜひ実装して欲しかったですね。
前述したこれらのほとんどは、慣れてくることによってある程度解決する問題なのではありますが、それでもかなりの不満を感じる部分となりました。個人的には、総じて操作形態に関しては細かい部分に不満が残る印象が強かったですね。
○総括
ライオットアクトは正義のヒーローよろしく、自由度の高いシステムでいろいろな手段で悪を倒す爽快アクションゲームという位置付けになるかとおもいます。しかし、確かに自由度の高さは感じるものの、逆に言えば「自分の意志で悪行三昧行動も取れる」自由度もシステム的に含まれている為、結果的に意図しない市民への攻撃をしてしまったりするなど、思ったよりも制約の多いプレイを強要される印象をもちました。そして、市民への攻撃に関しては、きっちりペナルティが存在することも忘れてはいけないですね。
そもそも「自由とは、理性や罰則などに拘束されない、完全な無秩序の状態」をも示す要素をもち、それをゲームに適用する場合、自由度の高さは本来悪党プレイにこそ向いているのではないかとおもっています。そういう意味では、ライオットアクトに求めるものは「行動自体の自由度の高さ」ではなく「自由に移動などができる」「敵を倒す順番や手法などが自由に選択できる」といった感じの自由である、と捉えたほうがよいでしょう。あくまでも、ライオットアクトの本質は「正義のヒーロー」として、悪と戦うことにあります。また、前述のとおり、システム側で提供されている遊びの部分が少なめで、ある意味自分自身で遊び方を見つけられる人向けのゲームだと言えるでしょう。その部分が個人的な嗜好とマッチすれば、このゲームを最大限楽しむことが可能だとおもいますね。そういった意味においては、ある程度人を選ぶゲームではあります。
ちなみに、前述した不満点の多くは、キャラが強くなったり、自分が操作に慣れてしまえば、自然に解消するといった類のもので、致命的な欠点とはなりえないものが大半です。実際に遊んでみた感想としては「正直、これほど面白いとは思ってなかった」という感じですね。正直、脱帽です。
「鉄拳制裁的な悪の一掃」をプレイスタイルにしている関係上、暴力行為の観点からCEROのZ指定は致し方ないライオットアクトですが、18歳以上の方で、アクションゲームが好きで豊かな発想力のある人には、強くオススメできるゲームだといえるでしょう。特に「正義のヒーロー」に憧れている人にとっては、かなり魅力的なゲームだとおもいますね。
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